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パナマの僻地で2年を過ごす。それはまさに自分への挑戦でもあり、夢でもあった。電気なし、水なしの究極の生活。この生活を通して感じた全てのことを記録しています

メキシコ旅行を思い出す

2006/10/31

メキシコ旅行。
それは、強烈なインパクトを僕に与えた。

全ての常識を吹っ飛ばしてくれた。
「肉体美」とは何なのか、この写真は僕に問いかけてくる・・・


このポスターは何かを主張するかのようにも見えてきます。
タスコという街にある、小さな売店のオヤジがコレクションしているものでし た。

「肉体美」を問いかけられても、僕には、どこに美徳を感じてよいのか分かりません。何故そんなセクシーポーズをしているのか、こちらが質問してやりたいくらいです。

メキシコ、そこはスゴい国でした。

とうもろこしの芯の利用法


トウモロコシの芯、皆さんはどのように使いますか?

パナマでのトウモロコシはデントコーンという品種で、日本では飼料作物として利用されるものです。しかし、こちらでは食用として作られています。スイートコーンのように甘くなく、当然美味しくないです。挽いたトウモロコシを練り込んで作った【お焼き】が主な調理法です。


ところで、この写真はそのトウモロコシの【芯】です。
我が村ではこの芯の面白い利用法があるので紹介したいと思います。

着火材として利用する

トウモロコシの実だけでなく、芯の方にも油分が含まれています。その為火がつき易いのです。村では、ガスコンロよりも薪でご飯を炊く方が好まれており、トウ モロコシの芯をかまどに放り込んで薪に火をつけるのです。

これだと、有害なガスが発生すること無く安心して着火できますね。昔の人々の知恵に驚かされたも のです。


ビンの栓として利用する

こちらの村では糖蜜などの保存に酒類に利用されている空きビンがよく利用されます。
しかし、フタの部分は無くし易く、写真のように トウモロコシの芯をビンの栓として代用するのです。これが意外と便利で、泉都便の密着度も高く保存性にかなり優れているのです。このフタを無くしてしまっ たら、またトウモロコシを差し込めば良いのです。

ビンの再利用を日常的に行っている村人の姿は、我々、都会を知っている人間には輝いて見えました。



トイレで利用する!?

これは一体どういうことなのか。
最初に村人から教えられたときは理解に苦しみました。

なんと、このトウモロコシの芯がトイレットペーパーの役割を果たすとい うのです。写真のトイレの隣に備え付けてあるバケツにドッサリと芯が入れてありました。

私は、恐ろしくて使ったことはありません。

どのように拭き取るのかも想像できません。どなたか勇気のある方、一度試してこちらに一言コメントして頂きたい所です。

心のこもった手作り糖蜜

2006/10/27


以前、サトウキビを搾るのに馬を利用していることを紹介しました

サトウキビ畑へ早朝からで向き、山刀で切り倒し【トラピッチェ】という搾取する所まで運び、馬の力を利用して樹液を搾ります。そうやって搾った樹液の水分 を蒸発させながら糖蜜を採取していくのです。と、簡単に書きましたがその作業はかなりキツい労働です。

この行程を全て手作業で行い、苦労して作った糖蜜が、写真のように 近所の寿民に販売されています。そのお値段1リットル50円(50セント)。

サトウキビの搾取を馬で行い、かつ搾取した液を煮込むのに薪を炊いて行っている為、1日に最大で20リットル程度しか生産できないそうです。

つまり、 1000円(10ドル)です。

毎週1回糖蜜作りを行っているということなので、ひと月あたり4000円(40ドル)です。パナマの田舎で生活していくにも 最低200ドルはないと厳しいと言われています。これだけで生活を賄うことができる訳もありません。そこで、おじさん達に「もっとお金をとっても良いのに 何でそんな値段なんだ?」と聞いてみることにしました。

おじさん曰く

「昔からこの値段で売っていたし、今更になって値段を上げると皆から不評がくるので、この値段で良いんだ。それに自家消費のために作るのが主な目的で、販売が主ではないから別に良いのさ」

と、いわれてしまいました。パナマ人って本当に優しい人たちだなぁと思うと同時に、自分の考え方が自己中心的すぎることを反省させられました。

今日も空きビンを持って近所の子供達が、おばちゃんに糖蜜を求めてやってきます。

種類豊富なトウガラシ


実は今、パナマに存在する色々なトウガラシをコレクションしています。写真はその一部。大きさ、色、形と様々です。トウガラシと言っても辛くない種類もあ るんです。パナマに限らずだと思いますが、ここ熱帯地域にはたくさんのトウガラシがあります。なのにパナマ人はトウガラシをほとんど食べないんです。理由 を聞くと「辛いから」だそう。

パナマ人の好きな味は甘いと油っこいです。なのでコーヒーは激甘、スープは超オイリー、ゴハンに塩と油を入れて炊く始末です。先日、ご近所さんとパナマ人 の味覚について話をしていて明らかになりました。と、こんな食生活なのにダイエット志向なところも思わず笑ってしまいます。痩せたければ、もっと辛いもの を食べろ!と思わず熱く語ってしまいました。

写真説明(上から)
品種名:Pico Pajaro(ピコ パハロ)
長さ1センチほどの小さな実を有する品種、鳥が好んで食べてしまうので「鳥のくちばし」という慣用名
が付けられています。

品種名:Gayote(ガジョテ)
いわゆる【鷹の爪】として日本でも販売されている普通のトウガラシ。

品種名:Tango(タンゴ)
ピンク色の奇妙な色を有する品種。酢漬けにしてタバスコとして利用します。

品種名:Aji Dulce
した2つは、辛くない品種です。味は普通のピーマンに似ています。

コーヒー1杯の価値

2006/10/26


先日、いつもお世話になっているおじさん夫婦と一緒にコーヒーの収穫に行ってきました。コーヒーの木を見たことある人は少ないんじゃないでしょうか?

一見 プラムのような素敵な木の実を付けた木なんです。コーヒーは基本的に日光と日陰の比率が1:1である必要があります。なので果樹やバナナの木と一緒に混植 をするのが普通なんです。


今回は、熟した果実をもぎ取る作業でした。その後は、中の種子の部分を取り出す為に写真のように実を乾燥させ、川で腐った果肉を洗い落とし、更に良く乾燥 させます。その後、鉄鍋で焙煎し手動でまめ引きをしてようやくコーヒーが飲めるのです。ここまで手間ひまかけても、飲料としてのコーヒー1杯の市場価格は 30円程度。この値段は本当に適正価格であることが今でも信じられません。

しかし、彼らはコーヒーをケチケチ売るんじゃなくて、みんなでコーヒーを飲みながら【おしゃべり】することこそが重要であると考えているのかもしれませ ん。この村の人達に限らず、多くの小規模農民は自家消費用にのみコーヒーを作っているだけで、それは訪れてくる客人に振る舞うためでもあるのです。そし て、そのコーヒーの匂いに誘われてなのか、おばちゃん達は日々どこかに集まり、お得意の井戸端会議でおしゃべりしているのです。こういう現状をを見ている とパナマ人の本当の優しさが垣間見えてきます。

また、パナマ人はコーヒーにものすごい大量の砂糖を入れます。だから、みんな恰幅の良いお腹を抱えています。このコーヒーの甘さは日本人にとっては尋常な 甘さではありません。ただ、これが彼らにとっての【普通】なんです。普通である以上受け入れるしかありません。今でこそ激甘コーヒーに慣れたものの、パナ マに来て初めてこのコーヒーを飲んだ頃は苦痛で仕方ありませんでした。

村の創設者

僻地生活の舞台、川の源泉から清涼な水のながれるこの村を作り上げた人の一人に会うことができました。
話によると100歳を超えているらしいです。この写真は、衣装をきているように写っていますが、これが当時の普段着です。現地で【ポジェラ】と呼ばれており、今では、この服はパナマの民族衣装として扱われています。日本でいう和服に相当するものと言ってよいでしょう。

このおばちゃんの服はいわゆる作業着にあたる種類。当時はミシンなど無かったので、すべて手縫いで制作していたそうです。他に外出用として更に刺繍などの 細工が施してあるポジェラもあります。こちらは高価なもので10万円以上で取引されるそうです。パナマの平均所得が月3
万円から4万円。それを考慮すると いかに高価なものか分かるはずです。

ちなみに、当時ポジェラを作るときは写真のように糸から作っていたそうです。おばちゃんが手にしているのはその糸をよじる為の道具です。

世界のゴミ処理 リサイクルについて

2006/10/25

はじめに ちょっと古い話です。

去年のちょうど今頃(2005年9月)に村の子供達とゴミを少しでも減らそうと いう取り組みを行いました。

パナマのゴミ処理事情を考えると一刻も早くこういった取り組みを開始した方がいいと思ってのことです。当初は誰も興味を持って もらえないんじゃないかと思っていました。ところが小学校に【ダメもと】で訪れて先生と交渉。なんと許可をもらうことに成功したのです。

まだ、僻地で生活を始める前の頃ですね。あ〜懐かしい。

以下の資料は、この時の取り組みを元に作製した【イベントでの展示用】資料です。
スペイン語で作製し、その下に日本語訳を付けておきました。


Reciclaje (訳:リサイクル)

1: Visitas sobre nuestro basurero o crematorio que conjugado con el verdor de la naturaleza, refleja un artista tiene para escoger en cuarto a color, pero que para la humanidad, es perjudicial, porque afecta el ambiente.

1: 私たちのゴミ焼却場が自然の緑と見事に調和している写真です。色彩り豊かなこの写真はまるで芸術を映し出しているよう。でも、人々にとってこれはとっても有害なのです。なぜなら環境を破壊しているから。

2: Pero en este crematorio, encontramos basura reciclable como los envases de bebida.

2: ところが、このゴミの中にも紙パックのような再利用可能なゴミはあるんです。




3: Dichos envases traen producto muy consumido en la sociedad y que como los ninos que observamos los reciclan y los preparan para re-utilizarlos.

3: 世間では紙パックはとっても消費されているもの。ここに写っている子供達は、紙パックを再利用するための準備をしています。


4: Despues de preparados los envases, los estudiantes y el maestro, depositan en los envases, abono fermentado conocido como BOKASHI.

4: 紙パックの準備が終わったら、先生と児童が一緒になってパックに発酵肥料として知られている「ぼかし」を詰めます。




5: Podemos observar las plantas en los envases que han sido sacado del basurero.

5: ゴミ箱から拾ってきた紙パックで、植物を観察することだってできます。




6: Podemos producir, re-utilizando a bajar costo material desechables.

6: このように使い捨ての資材をうまく再利用し、さらにコストも下げながら栽培する事ができるんです。





実は、まだ続きがあります。
今、僻地で生活していますが、そこはなんと川の源流域なのです。一応国の指定で環境保護区になっています。ところが、当地域でのゴミ処理は【最悪】です。

現在その調査をしているので、断定はできないことですが、その環境保護区に住んでいるはずの村人は「家の敷地外にゴミを捨てればきれいになる」と考えているのです。乾電池が畑の中から出てきたこともありました。さびた空き缶が道ばたに落ちていることもあります。

日本をはじめとする先進国は【CO2削減】や【ゴミ削減】を唱えて頑張っていますが、日本のように頑張りきれていない国もあります。本当の意味での地球環境保護をするのなら【全世界が一丸となる】必要があるのではないでしょうか?

そんな、思いを抱きながら意識調査をしていました。

お気に入りの粉!?

2006/09/19


最近ハマっているもの。

それは、【粉ジュース】だ。

僕の住んでいる【僻地】には電気が無いので、当然【冷蔵庫】もありません。ただ、川の上流域なので冷たくて美味しい水は飲めます。これを活かさない訳にはいきません。そこで、この粉ジュースを買いあさることにしたのです。

日本じゃ「怪しい着色料が入ってるんじゃないの?」と疑われて懸念されがち。でも、パナマは違う。
ものすごい種類の粉ジュースが売っているのだ。写真はその極々一部にすぎない。この粉ジュース会社はいくつか存在しているようで、各社とも競い合うように 新作を出し続けているのです。ちなみに、この写真に掲載しているものは【ZUKO (スッコ)】と【TANG (タン)】と呼ばれる2強ブランドです。どちらも、種類が豊富で一つ25セントで販売されています。一袋でだいたいコップ4杯分を作ることができます(お よそ600ml)

競い合うように新作を出しているので、その味のバリエーションはすごいことになっているのです。
ここに掲載したのはこちらの粉ジュースでは【めずらしい】ものを取り揃えてみました。

【上】リンゴ、JAMAICA、パイナップル、アイスティー、オレンジ、マンゴ、オレンジピーチ(Mix)
【下】パッションフルーツ、ブルーベリー、タマリンド、夕張メロン、グレープフルーツ、みかん

モモ味とパッションフルーツは毎回購入しているお気に入りです。

オクラ栽培奮闘記


オクラに敵が現れました

いままで大事に、大事に育ててきたオクラがなんとハエに食われていたのです。
ハイビスカスの仲間でもあるオクラは、白いきれいな花を咲かせます。そのあとに、あのネバネバが美味しい実を付けるのです。ところが、ここ最近、実の付きが悪く、中には結実せずに枯れていってしまう実もあったのです。様子の異変に疑問を感じ、注意深く観察しました。

その結果が【ハエ】だったのです

育苗から発芽、そして最初の収穫までは順調でした。オクラは日本では病害虫に強く、比較的栽培し易い作物の一つ。

それが、パナマでは虫の餌食になってしまいました。ここでの野菜栽培は有機農業を基本としており農薬は一切使っていません。そのためハエがつき始めたからと言って殺虫剤は御法度。何らかの解決法を考えなければなりません。

そうこうしている間にもハエの仲間が仲間を呼び、さらに仲間がよってくる状態。自然農薬を試すことが決まったときには、もう手遅れでした。

僻地で入浴するとは…

2006/09/10


この写真の説明の前に、まずパナマのお風呂事情を説明しなければなりません。パナマでは基本的に諸外国と同様シャワーを浴びることが【入浴】となっています。つまり湯船に入る習慣はありません。首都圏と地方の一部の階層の人たちを除いて、お湯シャワーを使っている家庭は非常に稀なのです。



これが村でのお風呂事情になると状況がかなり違ってきます。水浴びをすることが入浴と いうのは同じですが、川に入るのも【入浴】になるのです。スペイン語では同じ言葉を用いるのです。そもそも【ちゃんとしたお風呂もしくはシャワールーム】 を有している家庭が非常に稀なのです。右の写真がその代表的な家庭です。

つまり、お風呂自体がないのです。風呂と言っても塩ビの水道管を引き延ばして、上から 水を垂れ流すように設置し水浴びをする程度。風呂好きな日本人には耐えられないのではないのでしょうか?正直自分も最初はキツかったです…。簡易シャワー は、この写真に写っているトイレの構造に似通っており、トイレと同様、家の外に建てられています。


こういった状況があるので村での入浴事情は悲惨なものです。

この村に住み着き始めた当初は、どうやって自分の体を少しでも清潔に保つかで苦労しました。そこで、思いついたのが【川で泳ぐこと】。

苦肉の策です。日本では【川で泳いだから】風呂に入るという考え方になると思いますが、ここでは川でもいいから水に入りたいという考えになります。いえ、なってしまうのです。2日に1回はこうやってよく泳いだものでした。

おかげさまで、今は簡易シャワールームを所有するご家庭に恵まれ(といっても粗末なものですが)断水しない限りの範囲で【水浴び】のできる生活です。
 

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